IT業界でエンジニアを始めて6年目となり、この業界についてもだいぶ分かってきました。
今回はこれまでの業務経験を基に、感じた事柄を自分なりにまとめます。
エリ狐の経験
エリ狐は新卒で社員数2000名くらいの独立系Sierに就職しました。
そこは約2年9ヶ月勤め経験し、その会社を退職した後ITベンチャー企業に勤めこの業界は6年目となります。以下の開発現場を経験してIT業界への主観や働く意識が変わったのでまとめます。
- 警備要請管理システム開発
- 警備端末設定システム 開発
- 火力発電向けプラントシステム開発
- 食銀業向け生産管理システム開発
- 化学業向け生産管理システム開発
- サーバー監視システム保守
- 入退室監視システム開発
- 国民健康保険支払請求管理システム開発
- 健康保険組合向け基幹システム開発・保守
経験言語
C、C++、C#、VB.net、VBA、VB6
DB
SQLServer、Oracle、MySQL
就職してからのギャップ
最初の会社に入社した理由は、学生時代に暗号セキュリティに関する研究をしていたことから、セキュリティ分野の企業に関心がありました。その会社ではパスワード認証や暗号化に特化した自社製品があり、それらの開発がしたいと入社を決めました。
しかし実際の作業としては…とある企業のとあるシステムの開発の数々でした。
入社してから聞いた話ですが、自社製品の開発は全てが外注で営業のみ自社で行なっているとのことでした。
IT企業の全てではないですが、私の経験上「請負」「準委任(SES)」「派遣」といった契約形態が多いのではないでしょうか。
よく求人サイトを覗いてみると「金融系システム開発」「医療系システム開発・保守」など募集している企業が携わっている事業内容が記載されています。これらは自社開発しているかのように思えますが、殆どが「請負」「準委任(SES)」「派遣」です。
今回はこれらの「準委任(SES)」についてお話します。
SESとは?
システムエンジニアリングサービス (SES)とは「何らかの成果物に対する報酬ではなく)技術力や労働力を売ります」という契約のことです。
具体的に説明すると製造工程やテスト工程、ドキュメント作成など依頼元が「やる必要なし」と判断した単純作業を外部に外注することです。
もう少し掘り下げて次のようなシステム開発の流れを例とします。
これらの工程の中でシステム企画や業務要件定義、受け入れテストはプロジェクトのゴールを決めるため肝となります。
これら重要なところは依頼元(ユーザ)が実施し、残りの工程は全て開発ベンダ(外部)に発注します。世の中の大手企業始め、その殆どは請負やSESで業務委託しています。
ではなぜSES企業で仕事をすることが良くないのか3つ説明します。
①スキルが身につかない
SESで仕事をしていると案件によって作業内容は変わりますが、長期案件の場合は作業内容に変化がありません。またユーザが工場の場合、独自の開発言語や仕様でシステム開発をすることになります。
プログラミングがやりたいと思っていても案件がなければできませんし、業務経歴は案件に依存します。逆に捉えれば、案件によっては様々な言語や開発を経験することができます。
②キャリアの選択が難しい
これは現在のベンチャー企業に所属して感じたことですが、
SESにおいて自身のキャリアを作っていくのは難しいと感じています。
①の通り、SESにおいて業務経歴は案件に依存します。
プログラミングを経験したくても案件がなければ経験することができません。
大手SIerなどの案件が多い企業では、上司や営業に相談することで自身が経験したいものを選択できるかもしれません。逆に案件が少ない企業だと案件の選択は非常に難しいです。
③客先での差別
客先常駐では基本的にその企業の社員には下に見られます。
依頼主という立場がそのようにされているのかもしれません。
もちろん業務中は名前で呼んでもらえますし、やりにくいということはありません。
飲み会などプロジェクト終了時に打ち上げもしますし、でも相手の目を見るとわかります。
このような状況下にいると「自分はダメなんだ」と卑屈になり、新卒で入社した頃に抱いていた「スキルをつけて大手企業の正社員になるぞ」や「フリーランスになるぞ」という思いは荒んでいきます。
この実態に気づくまで2年かかりました。
この気づきを得たのはフリーランスの方と同じプロジェクトで仕事をしたことでした。
その話については後日記事にしますが、SNSが活発ではなかったですし情報をくれる知り合いもいませんでした。
また「未経験でもOK」「文系大歓迎!」「OJTが充実」「将来フリーランス」という甘い文句があると惹かれてしまいがちです。会社の大小問わず、IT企業の殆どがSESです。
スキルなし、意欲なしの人をどの企業が採用しますか?
手遅れになる前に、自分自身を見つめ直して今後の長い人生を考えるきっかけになれたら嬉しいです。
エリ狐が考える働き方
そんな業界で働き続けるエリ狐ですが以下の2つを大事にしています。
- 選択肢を広げる
- ストレスを溜めない
これらのために以下を実施しています。
とは言えど、残業とか色々やること多いですけど…ね。
自主学習
エンジニアは新しい技術や興味のあるものについて勉強する必要があります。
とは言えど、大抵の社会人は勉強していません。ぶっちゃけエリ狐も4年前までは全くと言っていいほどプログラミングや社会に関する勉強はしていませんでした。
すぐには差はつきませんが、やっている人とやっていない人ではかなりの差が出てきます。
数々のプロジェクトを通して多くのエンジニアさんと仕事をしてきましたが、
本当に凄い尊敬できる人もたくさん出会ってきました。
しかしそれよりも作れない名ばかりのエンジニアが多いです。
でもその人たちが悪いよりも会社の教育方針がイケてないと思います。
なぜなら、ITの新人研修でやる言語学習や開発プロレスはほぼ実務で皆無だからです。
エリ狐も以前は作れないエンジニアでした…。
今では、この「エリブログ」や「ホームページ」を作れるくらいにはなりました!
まぁ、それらのお話は後日!
各案件で肝になるものを覚える
スキルが身につかないと上記で述べましたが、仕事のやり方次第で身に付けることができます。独自言語や仕様だとしても、開発の流れやその他ビジネススキルは他の案件に応用することができます。
コーディングであれば書き方は言語によって様々ですが、可読性や可用性、ロジックは全てに共通するものですので軸になっているものを抑えることでスキルを高めることができます。
ジムで身体を鍛える
汗かいて身体を鍛えるとストレスが緩和されます!私が証明です←
と雑に言うくらい本当にイライラが無くなりますし、細かいことを気にしなくなります!
筋トレの話はまた後日!
必要以上のことは極力やらない
中間管理職ゆえに月の作業は多いですが…。
人数が多い組織に属していた頃は、飲み会の幹事、興味のない勉強会、会議室の準備や運営などなど自社作業が本当に多かったです。
その作業をやって自身に得があればやるべきだと思いますが、ほとんどないと思います。
その分、自分の時間に当てるべきです。ゆえに残業代が発生しない会社作業はやるべきではないと思います。