先日、前職でお世話になった人事部の先輩と飲みに行ってきました。先輩は昨年度に定年退職しており、今は別の会社で働いており、エリ狐も退職済みです。
この飲み会でネタとなったのが、「残業代の支払い」についてでした。
ポップに言ってるけど、当時はイラっとしてたよ〜♪
マジックタイム
まぁ、僕も会社を辞めた理由の1つなので仕方ないですね。
〜 マジックタイム 〜
勤めてる人々は皆、消えた残業時間をそう呼ぶのであった…
マジックタイムとは
マジックタイムとは、残業代が発生しない「所定内残業時間」のことです。
■入社当時のエリ狐
給料日当日
入社当初からこの謎の時間について疑問と不満でいっぱいでした。
そして挙げ句の果てには「社会保険労務士」の資格勉強をかじる始末。
労働法を勉強した結果、前職の残業の基準は残業の基準が1日単位ではないということがわかりました。
勤務時間 | 9:00~18:00(標準勤務時間8h) |
フレックスタイム制度 | (コアタイム11:00~15:00) |
上表は前職のような募集要項の一部です。2列目に「フレックスタイム制」と記載されています。この残業の基準に変化が出るのがフレックスタイム制なのです。
フレックスタイム制とは
- メリット
1.個人が効率的に時間配分できるので、残業軽減につながる
2.勤務時間を変更することで、通勤ラッシュを避けることができる
- デメリット
1.取引会社や他部門との連携を行なうときに、時間の設定が難しくなるため、現実には導入できる職種が限られやすい
2.フレックスタイム制度は時間に対してルーズさが許されるものと勘違いされやすい
残業の基準
フレックスタイム制は、残業の基準が1日単位ではなく、1週間や1ヶ月単位になっています。
そのため、あらかじめ決められた労働時間の枠内なら、何時間働いても残業にならない(残業代が出ない)のです。
通常の労働形態の場合
日(8時間)
週(40時間)
フレックスタイム制の場合
フレックスタイム制では、「清算期間(一定の労働期間)」と、その期間内の「総所定労働時間(契約時間)」が決められています。
つまり、期限内で「総所定労働時間」を超えなければ、1日8時間・週40時間を超えて自由に働くことができますが…
前職ではおそらく清算期間を1ヶ月以内の期間で定めておりました。
したがって清算期間を1ヶ月とすると…平均した1週間当たりの総所定労働時間が40時間以内である必要となります。
清算期間を1ヶ月とした場合、法定労働時間は以下の表となっております。
1ヶ月の日数 | 月の法定労働時間 |
---|---|
28日 | 160.0時間 |
29日 | 165.7時間 |
30日 | 171.4時間 |
31日 | 177.1時間 |
これらの時間は、労働基準法で定められた労働時間の基準となっております。
フレックスタイム制の落とし穴
フレックスタイム制の場合、総所定労働時間を超えて働いた時間が残業になります。
が…ここで思わぬ落とし穴があります。それは「法内残業」と「法外残業」です。
「法内残業」とは、「総所定労働時間」を超えて働いていても、労働時間が以下の時間を超えない残業のことです。
オレンジ色の残業は「法内残業」です。一方、総所定労働時間を超え、さらに上記の法定労働時間も超えた青色の残業は、「法外残業」になります。
- 月の日数30日(20日出勤)、月17時間残業した場合:9:00~18:00(標準勤務時間8h)
- 月の日数30日(20日出勤)、月40時間残業した場合:9:00~18:00(標準勤務時間8h)
エリ狐の所感
SES主体の企業で働いていると、フレックスタイムを利用するのは難しいと思います。
②客先との契約時間を下回ると報酬(売上)が下がるから
企業に求めること
自分以外にもこれが理由で辞めた方々を何人も知っています。また年間休日124日(土日祝日休み、完全週休二日制)となっているにも関わらず、1ヶ月の法廷時間をベースにするのはいかがなものかと思います。
前職は独立系SIerでSES主体の企業であったので稼働や休暇は現場に依存します。その中でフレックスタイムを利用するのは100%不可能です。
まとめ
フレックスタイム制は、残業の基準が1日単位ではなく、1週間や1ヶ月単位になっているのでしっかり理解して働く必要があります。
勤務時間を変更できるので、通勤ラッシュを避けることや育児始めプライベートを充実させる機能としていい面もいっぱいあります。
前職の企業を否定するつもりではないですが、労働時間の管理を曖昧にし、社員に長時間残業・サービス残業を強いる手段として、フレックスタイム制を悪用する会社も存在するので注意が必要です。