先日、経団連の中西会長より「終身雇用は守れないと思ってる」と明言がありました。
正直、経済界は終身雇用を続けていくのは無理。
どうやってそういう社会システムを変えていくか、そういうことだという風に大学側と理解が進んでいる。人生100年時代に、ずっと1つの会社で働き続けるという考えから企業も学生も変わってきている。
上記のニュースを見て、雇用側にとって本当に都合がいいなぁ〜いやだねぇ〜と感じました。
その結果「人生」について思うところがあるので、本の内容に触れながらエリ狐なりに色々考えてみました。
人生100年時代をどう過ごすべきか?
本書のテーマは「どのように行動すれば自身やその家族、会社、社会全体が長寿化の恩恵を最大限に受けられるか」というものです。
日本は、高齢者医療や年金の問題ばかりが取り沙汰されています。しかし、今後は若々しく健康で生きる年数が長くなるため「老い」の概念に変化が来ます。そうなると引退後(定年)の生活だけでなく、人生全体を設計し直さなければなりません。
人生の3ステージ
これまで多くの人々は「教育→仕事→引退」という3ステージの人生を歩んできました。特に今の焼け跡世代(70歳-81歳)の方々に多く、終身雇用に加え、年金も安定して貰えており、寿命も統計的に80歳であることから、3ステージのバランスが保たれていました。
しかし、寿命が延びれば、70代、さらには80代まで働くことが当たり前となります。また、仕事のステージの長期化に伴い、就職→学生→独立→就職など、ステージの移行を数多く経験する「マルチステージ」の人生に突入することになります。
ここで必要となるのは、同じような生き方にとらわれず「変化」を続ける覚悟です。キャリアだけでなく、パートナーとのあり方も考えさせられます。夫婦が二人とも職を持つ家庭が増えると同時に、いずれかがステージを移行する際に、お互いの役割を調整し、サポートし合うことが求められます。このようになると、必然的に家族のあり方は多様化していくはずです。
マルチステージを経験する時代では、「何を大切に生き、何を人生の土台にしたいのか」を考えなければなりません。自分の存在意義を主体的に築きながら「人生をどのように計画するか」が最大のテーマです。
無形資産を大切にする
無形資産とは「家族や友人」「知識」「健康」といったお金にできない資産です。これらが有意義な人生に必要不可欠であるだけではなく、相乗効果により金銭的資産の形成を助けてくれるからです。
両方の資産のバランスをとり、シナジー効果をねらう必要があります。長寿化の観点から重要とされる「無形資産」は、生産性資産、活力資産、変身資産の3つに分類されます。
生産性資
生産性や所得、キャリアなど長年かけて培ってきたスキルや知識・経験です。
キャリアの初期に身につけた専門技能を頼りに、長い勤労人生を生き抜くことは難しいです。そのため、生涯を通じて、複数の新しいスキルと専門技能を獲得し続けることが重要になる。
活力資産
やる気をかき立てるモノです。肉体的・精神的健康や、友人や家族との良好な関係などが当たります。
人生100年時代に必要なのはズバリ「健康」です。健康な脳を保つことは大きな意味を持つ。最近の研究によると、加齢により脳の機能が衰えるのを避けられないという常識が変わりつつあり、機能を高めたりダメージからの回復を促したりすることもできます。
また、ストレスを引き起こす要因をうまく管理することも大事です。職場と家庭のバランスをとる必要があります。
変身資産
新しいステージへの移行を成功させる意思と能力です。
不確実性への対処能力を促す要素は以下の3つが必要となります。
- 自分を知ること
自分の考えや行動などを深くかえりみることで、変化を経験しながら自分らしさを見つけていく。
- 多様な人的ネットワークを持つこと
昔からの同質性が高いネットワークは変化を促すよりも、同質であることを後押しする傾向が強いです。
新しい視点を得て、変身していくためには多種多様なネットワークに接することが必要となります。
- 新しい経験に対して興味を持つこと
変身の過程で既存の行動パターンが通用しない、脅かされるときに、新しいやり方を実験し、受容する姿勢を持つ必要があります。すると新しい生き方を探索し、適応することができるようになります。
このように、3つの「見えない資産」に投資を続け、自らを再創造(リクリエーション)することが、充実した100年ライフを送るための鍵となるでしょう。
エリ狐の考察
大手企業はじめ「終身雇用が難しい」といっている現状なので、不可逆的に起こると前提として行動すべきですね。
しかし、すぐに「これをしなきゃ!」っていうのは思いつかないので、ライフシフトの内容と現状を踏まえてまず自分にできることを考えてみました。
- 現在の職場にて深い経験を積むこと
- 興味・関心のある分野にて知識を蓄えること
- 人との繋がりを大切にすること
- 筋トレを頑張ること
とりあえず、今後ともよろしくお願いいたします。